LIFE LOG(塵芥の終着点)

塵芥の終着点

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「屑ニートは大学院生!」が映画「若おかみは小学生!」を観た

こんにちは。

既にネットで大きな反響を呼んでいる劇場版若おかみは小学生!を観てきました。

上映劇場が少ない、午前中くらいしか上映してないなどの大きいお友達フィルターが同時に話題になっていましたが、立川シネマシティでは夕方18:50〜の上映がありました。どうやら口コミによって改善されたようで、先週末からは夜のみの上映となり、座席数が多いスクリーンに変わっていました。大きいお友達フィルターどころか大きいお友達専用上映です。

 


劇場版「若おかみは小学生!」予告編

 

 

 

 

まず言いたいんだが

みんな……

 

 

 

 

 

若おかみは小学生!」を観てくれ……!!!!!

 

 

 

 

頼む…………

 

 

 

 

 頼むよ…………

 

 

感想

ひとことで言うと

「濃い」 

これに尽きる映画だった。

 

 

「若おかみ」は何故濃いのか?

キャラクターの顔が濃かったとかそういう話ではない(おっこは正統派な可愛い系である)、この作品が94分ということが信じられないくらい、あらゆる要素が濃密に詰め込まれていることに対する「濃い」である。

そもそも何故90分ちょいという比較的短い上映時間かというと、それはもちろん『子供向けアニメ』だからである。幼稚園児や小学校低学年をターゲットにした、いわゆる女児向けアニメの劇場版は、上映時間をできる限り削らなくてはならない。子どもは飽きっぽいので、如何に限られた時間で内容を凝縮できるか、端折らずに且つストレートに物語を伝えることができるのかが肝になってくるわけだ。

と、ここで気づくことがある。この課題は邦画全般における特徴であり課題でもあるのではないか? 洋画好きがしばしば口を揃えて言うことといえば「邦画はテンポが悪い」だ。それは、間のとり方や空気感を重視する邦画には仕方のないこととも言える。しかしながら女児向けアニメの劇場版は恐ろしくテンポが良く、それでいて人物の描写や演出が損なわれることなくすんなりと頭に入ってくる。つまり邦画の弱点を克服しようとしている作品なのではないかと私は思ってしまうのだ。

当然スタッフは皆、子どもから大人まで、あらゆる観賞者層に向けて真剣に作品を創り上げる。そんな作品が、つまらないはずがないのだ。

(同様の理由で劇場版アイカツ!も全世界の人に見てほしいんですけど…)

 

言葉選び、あるいは言葉を使わないという秀逸さ

脚本がまあ凄いのだ。キャラクターの発言ひとつひとつがすごく真実味を帯びているというか、胡散臭さが一切ないというか、なんか凄いのだ。

私がキャラクターのセリフで冷める瞬間として、「作家の癖」がにじみ出てしまうパターンというのがある。例えば、日常生活ではあまり使わないような単語を子どもが口に出したり、別のキャラクターなのに言い回しが似ていたり、そんな作家の中身がキャラクターに乗り移っているようなパターンだ。当然1人の人間が複数のキャラクターを動かしているのだから、これを克服するのは極めて難儀である。

ところが本作はその壁を完全にぶち破っている。主人公のおっこは真っ直ぐな女の子だし、ウリ坊はジジ臭いけど少年だし、ピンふりは秀才らしくませていて、豊富な語彙を持っている。皆が皆、全然違う喋り方をしているのだ。これって当たり前のように思えて、実際かなり凄い。

脚本家は吉田玲子さん。もうこのテロップを見るだけでアニメオタクは安心しちゃいますもんね。流石の一言に尽きます。今年の個人的ヒットなアニメ映画のリズと青い鳥」「のんのんびより ばけーしょん」「若おかみは小学生!3つとも吉田さん脚本という事実に震える……

 

そしてもう一つ秀逸な点は「喋りすぎない」ことだ。

子どもでも見て分かるように物語を理解させる、そんな工夫に胸を打たれてしまった。例えば本作では若干のファンタジー要素として、幽霊が2人出てくる(あと魔物も)。2人の幽霊はそれぞれ能力のようなものを持っているのだが、その説明は一切なく、お話の展開だけで理解できるようになっているのだ。

他の例だと、物語の始まりに主人公に襲いかかる悲劇についてだ。あらすじで分かっていることではあるのだが、おっこは両親を失う。が、この両親が亡くなるシーンはすぐに移り変わり、おっこが若おかみとして働き始める本編が始まる。「え、死が軽くない?」と思うかもしれないが、これが物語が進む上でしっかりと意味を持ってくるのだ。両親を失ってからそれまでの間をあえて空白にすることで、本編におけるおっこの心情や考え方が徐々に分かってくるのだ。その過程があってこそ、終盤でめちゃくちゃ泣ける。

うーーーーん、巧い。

あと、これから観る方は是非トカゲ(もといヤモリ)に着目して観てほしい。

 

 

キャラクターが、風景が、

いやほんと、動くのなんのって。絵が止まってるところを探す方が難しいって。

あと、公式サイトやPVを見て気づく人もいると思うのだが、本作に出てくる大人キャラやモブは、有り体に言ってしまうと「ジブリ」っぽい。目が小さくて、投身がやや高い。ところが主人公を始めとするメインキャラクターの小学生たちは目がくりっと大きく、アニメらしい見た目をしている。この明確な違いが面白い。監督である高坂希太郎さんはジブリ作品の原画や作画監督を手がけている方で、ジブリっぽさには納得がいくのだが、面白いのはキャラクターデザインという役職を本作に置いていないことである。それはおっこという1人の少女にスポットを当てるためのコントラストでもあり、単純に原作の見た目そのままを見せたいという思いでもある。詳しくは下のインタビューに載っているので是非読んでほしい。

www.excite.co.jp

 

 

あとグローリー姉さんのボディラインがえっちだ…

 

 

挿入歌が流れてダイジェスト風にお話が進むの大好きマン

 分かる人いますか?「輝きの向こう側へ!」のラムネ色青春とか、「ガラスの花と壊す世界」の世界旅行シーンとか。関係ないけどガラスの花〜はマイナー且つ酷評が多かった映画ですが、このシーンは半端なく良いので観てほしいんですよね。そういえば最近では「君の名は。」の前前前世とかも。

歌に合わせてセリフ無しでお話が進んでいくのって大好物なんですよね。で、あるんですよ。若おかみにもそのシーンが。それが超絶エモいのなんのって….。エモいって単語は表現の放棄な気がしてあまり使いたくないんだけど、あれはエモいとしか言いようがない……グローリーさん素敵……。

すごくいいシーンなのでみんなも観ようね。 (極力ネタバレしたくないからもう何も言えない)

 

 

 

 

まとめ

観てくれ!!!!!!!

あとガチで文字しか無い記事で申し訳ないけど、パンフレットが売り切れてたからすぐに劇場出ちゃったんだわ!!!!今週入荷らしいから買いに行くし、そんとき写真とか撮ってくるわ!!!!!!

以上、冒頭とテンションが違いすぎるレビューでした。