LIFE LOG(塵芥の終着点)

塵芥の終着点

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TGS2018に行ったオタクが感じた、時代と自分の変化

TGS2018 急遽行った

友人がチケットを余らせているということで、急遽『TOKYO GAME SHOW 2018』に行った。ちなみに友人は当日仕事が入り、結局単身で特攻するはめに(泣)

ゲームショウ自体は、中学生の頃に行ったTGS2009以来の、なんと9年ぶりの参加。今になって思い出したのだが、当時はインフルエンザの流行によって学校側が生徒の外出を完全に禁止し、その結果土日が空白になったため「ラッキ〜♪」みたいな気分で友達と一緒に行ったんだった。

中学生は「外出禁止」などという漢検一級の問題を出題されても当然「うんち」としか読めないため、仕方の無いことであった。「おそとであそんではいけません」と呼びかけなかった教員側の落ち度だ。

 で、今年の話。23歳となり、ゲームを長時間続ける集中力も衰えはじめてきた今日このごろな大学院生が行っても楽しいのだろうか?そんな一抹の不安を抱えながらも、当時との違いを楽しんだり、セガサターンのTシャツが欲しかったりしたので、なんだかんだワクワクしていた。そして実際行ってみたら9年前とあまりに違いすぎたイベントだったので、思ったところを今回まとめたいと思う。

 

 

ゲーム業界と周囲の変化

 まずはゲーム業界やその周囲を取り巻く流行について昔との違いについて記す。

 

業界にスマホゲームがめちゃくちゃ増えた

いやもう、あえて言うまでもないんだけど、スマホアプリ市場がかなりブースを占めてきている! 確か昔はモバゲーやら任天堂の倒し方を知ってる企業やらがかなりニッチなゾーンで必死にコンパニオンさんが宣伝をしていた記憶だったのだが(魚釣りゲームみたいなやつをやってクソつまらなかったので苦笑いして去った気がする)、もうそんなレベルではない。会場の中央付近はスマホゲームを初めとするベンチャー企業のブースがわんさかとひしめき合っていて、特典目当ての人集りもびっしりだ。

私も『ドールズフロントライン』のブースに特典目当てで向かったのだが、開場から1時間も経たずに整理券の配布が終了していた。無念。特典ありき、というのも勿論あるが、それでも「スマホゲームのブースを目当てにTGSに行く」などという考えは数年前ではあり得なかったように思える。

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会場外にあったドルフロの広告。尚、人混みで撮影どころではなかったので会場内の写真は皆無だ。

 

e-sports、そしてVtuber

ゲーム業界を取り巻く周囲の環境変化と言えばこの2つだろう。会場のいたるところでプロゲーマーの対戦イベントや、Vtuberトークイベントが催されていた。

前者については、「e-Sports X(クロス)」ステージという特設ブースで、フォートナイトやCODの大会が開かれたり、他のブースでもPUBG、レインボーシックスシージなどが会場を沸かせていた。また、長らく公式が動きを見せていなかったぷよぷよが「ぷよぷよeスポーツ」の新タイトルでe-sports競技として参戦することに積極的な姿勢を見せるなど、ジャンルの幅も広がってきている印象だ。プロのぷよぷよ選手たちは、小学生の頃からやっていて未だに6連鎖しかできない私からすると考えられないくらいエクストリームな対決をするので、こちらも期待である。

そして後者のVtuberなのだが、こちらも流行から1年弱であるにも関わらずファンの動きが活発だ。ゲーム部プロジェクト部員と1対1で会話ができるトークイベントは、一瞬で整理券が配布終了した。随所でモニターから3DCGのキャラクターが話している映像が流れていて、Vtuber界隈の勢いも最高潮といったところだ。

逸れた話になるが、Vtuberはキャラクターという体で動いているものの、時折垣間見える中の人らしさ、その人の人間性に惹かれるパターンが多い。これが現実におけるアイドル、声優に通じる部分が多いらしく、そちらの方面から来てはずぶずぶとハマっていくオタク達が多いそうだ。故にイベントに対する参加も積極的なファンが多く、リアルイベントが賑わいやすい環境になっているとかいないとか。


【君の名は】部長、宇宙へ往く

これはゲーム部(とケリン)のおすすめ動画

 

VRが大人気になるのは必然的?

 VRの方は行く予定も無かったのであまり記述することはないが、やはり大賑わいだったそうだ。家庭用ゲーム機が安価で高クオリティの作品を遊べるようになった現状、試遊として価値があるものとは、ハードウェア的な面で手が届かないジャンルであることは自明である。まだ広く浸透していないVRを体験してみたいとは誰もが思うのだろう。全然違う話していい? テレビとかの取材でよく映ってるVR体験してるリポーターって目隠ししてワチャワチャ動いてるから見てると滑稽だよね。

 

 

子どもから大人への変化

ここからは私自身の変化に基づいた、TGSへの見方の違いを述べる。全部自分語りになるので、なんか良い感じの内容を期待している人はVR体験してるリポーターの物真似でもしていてください。うわ~っ! すごい! もうすぐそこにキャラクターがいますよ~! うわ~っ! 初音ミクちゃ~ん!

 

並んで遊ぶ気力も意義も感じられなくなってしまった

2009年。中学生の私がゲームを買えるタイミングといえば、誕生日、クリスマス、そして祖父母がお年玉をくれた時くらいのものだった。1つのゲームを買えば数ヶ月はやり込むし、絶対にクリアするまでは他のゲームに手を広げることなんて無かった。当然そんな中学生にとって試遊イベントなんて楽しみすぎ太郎である。イナズマイレブンテイルズオブグレイセスメタルギアソリッドピースウォーカー、どれもこれも並んだ。(入場料除いて)無料で未発売のゲームが遊べるなんて夢のイベントだったのだ。

2018年。ゲームが欲しければアマゾンでワンクリック。数時間やっては飽き、また数時間やっては飽き、次のゲームへ。クリアせずに溜まった積みゲーたちが部屋中あちこち。こんな贅沢な生活が出来てしまう今、新作ゲームの試遊で3時間待ちするくらいなら「とりあえず買えばええんちゃう?」という思考に至ってしまうのだ。お金を手にして選択肢が広がった大人にとって、ゲームの購入という行為にもはや大した重みは無くなってしまったのだ。実際、30分程度で遊べる列に2つ並んだだけで満足してしまったし、「あれ、ゲームショウってこんなんだっけ!?」という違和感は拭い切れなかった。整理券が瞬殺だとか、長蛇の列だとか、来場者数の影響も勿論あるだろうけど、一番の違いはゲームに対する自分自身の姿勢なのだと気づかされた時、ほろりと涙は……別にこぼれず、会場で貰ったモンスターエナジーをこぼしそうになった。人混みすごかったからね……

 

ゲームの感動をオフラインで共有していた時代

思えばインターネットの充実化も、私からワクワク感を少しずつ奪っていったのかもしれない。ニュースサイトやSNSはゲームの最新情報や時にはリーク情報が絶え間なく流れている。他人のプレイ動画や、公式PVなんかを高画質で視聴できる時代でもある。この時代に会場に出向いて実機に触れる価値がどれくらいあるのかというと、確実に昔よりは薄らいでいると言える。9年前もすでにインターネット文化自体は十分に発展していたが、ここまで日常と切り離せない存在とは言えなかったし、どちらかというと情報を仕入れることよりも、仕入れた情報を友人らと共有して盛り上がることに重きが置かれていたような気がする。あれ……これって単に私の周りから友達が減ってるだけなのでは……

えー、まぁ、何がいいたいのかというと、スマホは便利過ぎるので子供には持たせないようにしましょう。

 

 

TGSは今後どうなっていくのか

今後ますますe-sportsVtuberのブースが拡大されることは間違いなしのTGS。しかし試遊台に気軽に遊ぶことができない、早朝から並ばなくてはいけないなど、大人からすると気が滅入ってしまうような現状でもある。今後大人も子どもも満足できるようなゲームショウになることはできるのだろうか? そして私は来年度、無事大学院修士課程を修了することができるのだろうか? 今後の業界と私の研究に是非とも注目だ。

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ちなみにセガサターンのTシャツは買えました(しわくちゃだ)